悪玉物質「AGE」予防

活性酸素や病気、そして糖尿病の合併症の原因にもなっている元凶物質は「AGE」です。終末糖化産物と呼ばれる物質です

AGEは体内で作られるほかにも食品からも取り込まれてしまう。特に高加熱食品にはAGEの含有量が多い。

食品のAGEは長い年月をかけてゆっくり蓄積される

AGEは、血液中で過剰になった糖から作られて体内に蓄積されるだけではありません。実は、私たちが普段、口にしている食品にもAGEの多く含まれるものがあり、そこからも体内に取り込まれているのです。

私たちが食品からAGEを取り込むと、そのほとんどは胃や腸で分解されますが、全体の約10% は分解されないままAGEとして体内に吸収されます。吸収されたAGEもほとんどは時間とともに尿から体外へ排出されるものの、やはり全体の6~7% は排出されず体内に長くとどまります。

食品からとるAGEはごく微量だと思う人が多いかと思いますが、それは間違いです。AGEは、なんの対処もしないで放置していると、体内に10年以上とどまります。そうした長い年月のうちに、食品から摂ったAGEは、合併症を招くのに十分な量まで体内に蓄積されてしまうのです。

実際に私は、AGEを含む水を約3ヶ月間にわたって鼠にに与え、腎臓の組織の変化を顕微鏡で調べるという実験を行っています。この実験では、ネズミの血糖値は上昇しなかったにもかかわらず、腎症を発症していることが確認できました。このことから、口からとつたAGEも糖尿病の合併症の発生に深くかかわることがわかります。

食品のAGEは高温加熱で倍に増える

では、AGEが多く含まれる食品とはどういったものなのでしょうか。AGEはさまざまな食品に含まれていますが、中でも最も危険なのが、調理のさいに高温に加熱した食品です。

例えば、直火で焼いたり油で揚げたりという調理を行った食品では、食品中のたんばく質と糖がメイラード反応(褐色物質を生み出す反応)と呼ばれる反応を起こし、AGE量が激増します。特に、肉や魚の焦げた部分には高濃度のAGEが含まれています。

一例をあげると、生の鶏肉90グラムフを15分問焼いた場合は鶏肉に含まれるAGE量が約7.6倍に、油で8分間、揚げた場合では10倍近くに跳ね上がってしまうのです。

糖尿病の合併症を防ぐためにはAGEをたくさん含んだ食品は極力さけるべきです。特に、糖尿病の進行度を表す6つのステージのうち、腎症が疑われるステージ3以上の患者さんでは、こうしたAGE対策がとても重要です。

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