塩辛いものが「ガン」というわけではない

塩辛いものがガンの原因になるのではない

塩からいものがなぜよくないのか?

世間では一般的に「塩辛いものがよくない」という風潮があります。もちろん味の濃いものは胃に負担がかかるのは間違いありません。

塩辛いものが大好きでも、胃ガンになるとは限らない

塩は血圧にとって重要なミネラルだと思っておられる方が多いのではないでしょうか。血圧に関係して後ほどあらためて食塩の話をしますが、ここではガン、特に胃ガンとの関係について話します。

世界的に見ると、日本とチリには胃ガンが非常に多いといわれています。ところが他の国では、胃ガンはむしろマイナーなガンです。なぜ日本に胃ガンが多いのかということで着目されているのが、『食塩』です。

日本食は、欧米の食と比べて、さらにはインドの食と比べても塩辛いしょうゆやみそが使われています。日本食から塩を除いたら、つまり醤油、味噌などを使わないようにしたら、とても食べられるものではありません。

寿司、てんぷら、うなぎなど、日本の代表的な料理に塩や醤油は欠かせないでしょう。世界には、1日3gしか塩を使わない食事をしている国が多くあ ります。欧米の食べ物、パン、牛肉、野菜サラダ、コーンのポタージュスープなどにも、意外に食塩はあまり含まれていません。

一方、2001年の調査によると、日本人は1日平均11.5gの食塩を摂取しています。世界ガン研究基金とアメリカガン研究所が「ガンを防ぐための12か条」を提案しています。ガン予防に非常に重要な12か条となりますので以下に紹介します。どんなこともほどほどで普通がいいと言いますが、ガン予防に関して生活の中で意識しすぎるくらいでちょうど予防できるレベルに達すると思います。

ここではその7で6g以下にするよう勧めています。尿中のナトリウムの排泄量から食塩の摂取量を推察するという方法で調べると、日本やチリなどは食塩の摂取量が多く、胃ガンの少ない欧米の国々では食塩の摂取量が少ないことが分かりました。国立ガンセンターの研究では、日本国内で食塩の摂取量が多いところほど、胃ガンが多いという結果が得られています。

例えば沖縄の人は大体1日7~8g摂取しています。岩手の人は9~10gくらい、秋田の人で12.3gです。日本人はまだまだ減塩に本気で取り組めていないのが現状ですが、本当のところ塩分の最大のリスクは、血圧を上昇させてしまうことにあります。 おいしい、おいしくない…の問題ではないのです。

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