たんぱく質の単独犯でアルツハイマーを発症<

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たんぱく質の単独犯でアルツハイマーを発症

大阪市立大学の富山准教授と森教授らは、認知症のアルツハイマー病が脳内にたんばく質の「アミロイドβ」の小さな塊がたまっただけで起こることを、動物実験で突き止めた。

たんばく質による単独犯説が明らかになり、シミのような老人斑も関係するという従来の共犯説をほぼ否定できたという。

「米神経科学会誌」(電子版)に掲載された。アルツハイマー病はアミロイドβ が脳に少しずつ蓄積すると、病気を発症すると考えられている。

ただアミロイドβが数個から数十個集まった小さな塊が蓄積するだけでなせんいく、線維状に集まった「老人斑」と呼ばれるシミのような状態も、病気の発症・進行に関係するとの説もあり、議論が続いていた。研究チームは老人斑がなくても発症した重症患者を調ベ、アミロイドβのもととなる遺伝子に変異があるのを見つけた。

この患者と同じ場所に遺伝子の変異を持つ実験用マウスを作り、症状を調べた。マウスは生後8ヶ月めから、脳内にアミロイド の塊の蓄積が増えるとともに、記憶障害が現れた。

老人斑がなくても発症したうえ、症状が進行したという。今後はアミロイドβ の蓄積のようすから発症の可能性を診断したり、治療薬の開発を進めたりできると期待している。

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