脳の活性化

甘い物が悪者にされがちな世の中の風潮ですが脳にとってはどうでしょうか?

甘いものがすべて太る原因になるわけではない

甘い物というとすぐ「太る」イメージと結びついてしまいます。また糖尿病という言葉が表すように、糖分が多いと糖尿病になるかもしれないと恐れられます。甘い物は、それほど肥満や糖尿病を引き起こすのでしょうか。

たしかに現代人は糖尿病にかかっている人が急増しています。甘い物には、砂糖が使われています。砂糖は、ブドウ糖と果糖がつながっているものです。果糖は体の中でブドウ糖と同じ働きをします。つまり、1分子の砂糖は、2分子のブドウ糖からなっているようなものです。お米や小麦粉、そば粉はでんぷんからできています。でんぷんはブドウ糖のつながったものです。ですからでんぷんは、砂糖の集まったものともいえるのです。

英国で多くの人を集め、その人たちがどのくらい砂糖を消費しているかを調べたことがあります。 まず砂糖の摂取量に応じて5分画に分け、どの分画の人がもっとも太っているかを調査しました。すると驚くことに、もっとも砂糖摂取の多い人たちがもっともやせていて、砂糖を摂らず、他のもの、例えば脂肪などを多く摂っている人がもっとも太っていたのです。

つまり甘い物が太らせるという考えには、何の根拠もないのです。実際、砂糖10gとそば粉10g、あるいはお米10gのカロリーは、ほとんど同じなのです。砂糖は体の中に入るとブドウ糖になるだけで、魔術的に肥満させる力は持っていません。ただ甘いというだけです。

この話を若い女性にするとみな一様に驚きます。「砂糖とそばが同じカロリーですか?!」と言い返します。その通りなのです。ですから、そばも食べ過ぎると太ります。

砂糖、甘い物も摂りすぎれば太りますが、注意して食べれば決して太らないのです。一方、最近増えているのが糖尿病です。意外にも日本人のカロリー摂取量は、25年間で8%以上、炭水化物(ブドウ糖)摂取は18%くらい減っています。脂肪にしても、1975年と2006年は同じ摂取量です。砂糖についても同じで、昭和40年代にくらべて、現在の砂糖の消費量は半分になっています。つまり日本人は「食べなくなっている」わけです。

このように食べなくなっているのに、なぜ糖尿病は増えているのでしょうか?

肥満者が糖尿病になりやすい原因のひとつは、脂肪細胞が多くなると、糖尿病を予防するアディポネクチンなどのホルモンが減少することです。アディポネクチンは脂肪細胞から出て、インスリンの働きを高める、つまり糖尿病を防ぐ作用を持っています。脂肪細胞に脂肪が多くなる、つまり肥満が増すとアディポネクチンの分泌が非常に少なくなるのです。そのために肥満者に糖尿病が多いとされるのです。ところが、「肥満と糖尿病が関係している」という考えには疑問が持たれています。厚生労働省が、多くの糖尿病の人とそうでない人の体重を比較したのですが、両者の間にははとんど体重差がなかったのです。

このように、やせている人でも糖尿病になります。脳は、体重が70kgの人で、毎日90kgのブドウ糖を必要とします(体全体では360g)。もしブドウ糖の摂取が減ると、脳は90グラムのブドウ糖を確保するために、体の他の細胞がインスリンに反応しないようにする、つまりブドウ糖を利用できないようにするのです。これが「糖尿病」です。

つまり、ブドウ糖の摂取を減らしすぎると、かえって糖尿病になるのです。甘い物を摂りすぎるのはいけませんが、脳はブドウ糖を必須としていること、また、運動はブドウ糖の利用を高め、糖尿病を予防することを理解し、甘い物を正しく摂取することが必要です。

糖尿病 | 健康メモ

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