血栓症を防ぐ生活習慣と食習慣

血栓症について、血栓予防について、そして血栓症の治療について、現代人は目を背けることができない状況になってしまいました。血栓症に関する昔からの云われ、そして治療に関する情報、食習慣に切り込んでいます。

善玉コレステロールと悪玉コレステロール

心筋梗塞は、心臓に栄養を送る冠動脈の枝に血栓ができて、血流が阻害されて起こる病気です。心臓の血管はどんどん枝分かれします。先の方で別の血管とつながっていないので、もしこの血管が詰まると、先の方の心筋細胞が死滅します。

血管壁がザラザラでも、血小板は簡単に付着しません。なぜなら血液が流れていて、付いた血小板を押し流すからです。付着するのは、血管壁がザラザラである上に血管が収縮し、管腔が狭くなっているような場合、さらに血小板がべたべたと付着しやすくなっている状態のときです。

血小板が付着しやすい状態を、血小板が活性化されている状態といいます。血小板はアドレナリン、ノルアドレナリンで活性化されます。

アドレナリン、ノルアドレナリンは交感神経の末端や副腎髄質から出され、交感神経は怒ったり、不安になったり、恐れたりするときに活性化されます。そのため、緊張状態が長く続くような生活を送ると心筋梗塞になりやすいのです。

ではコレステロールはどうでしょう。コレステロールには悪玉と善玉があります。悪玉はLDLコレステロールといって、肝臓から心臓などに送られるコレステロールです。

一方、善玉コレステロールは、心臓の冠動脈の壁からコレステロールを取り出し、これを肝臓に戻すコレステロールです。HDLコレステロールといわれます。ですからLDLが多ければ心筋梗塞になりやすく、HDLが多ければ心筋梗塞を予防するのです。

また、コレステロールの産生を抑えるスタチンという薬、日本ではメパロチンが有名ですが、これを使うと多くの場合、心筋梗塞が予防できるといわれています。

このような結果から、コレステロールの摂取を抑えた方が、心筋梗塞を防ぐことができると考えられてきました。ところが最近、「コレステロールが問題なのは遺伝的な高コレステロール血症で、普通の人は血中のコレステロールがかなり高くても問題はない」という意見が強くなりました。日本の動脈硬化学会では、コレステロール値220mg/dl未満を正常としています。ところが250mg/dlまで大丈夫だという国際的な意見が強くなっているのです。

もうひとつ大事なことは、コレステロールは体の中で70%生成されるのですが、食事で摂取する量が増すと、その分体で生成する量が少なくなり、体内のコレステロールを一定に保とうとするのです。ですから、ちょっとコレステロールが高いからといって心配する必要はありません

高コレステロールになる重要な6つの原因

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