血栓症を防ぐ生活習慣と食習慣
血栓症について、血栓予防について、そして血栓症の治療について、現代人は目を背けることができない状況になってしまいました。血栓症に関する昔からの云われ、そして治療に関する情報、食習慣に切り込んでいます。
ガンより怖い血栓症の死亡率
現在、日本のガンによる年間死亡者数は約30万人。全体の総死亡者数は年間約90万人弱ですから、死亡者の3人に1人がガンで死亡している計算になります。10年後には、年間ガン死亡者数は50万人になるといわれ、ガン死亡者が2人に1人の時代を迎えようとしています。
このように、ガンは現代人の健康に関する最大の恐怖であり、問題です。ところがガンの治療についてさまざまな議論が対立し、一般の私たちは何を信じてよいのか分からなくなっています。その最大の論点は「ガンは必ずしも転移しない。いや、転移しないものが大部分であるから、治療しなくてもよい。冷静に経過を見ることが大事だ」という意見です。
「ガンもどき説」と言われるこの考え方は、社会に衝撃を与えました。もしそれが正しいのなら、今までの学説、治療法は間違いということになります。
この理論は「転移するガン細胞は、発生後、非常に早い時期に転移する。しかし、転移しないガンはいつまでも転移しない。場合によってはガンが縮小し、消失することもある」というものです。 もし、今ガンが見つかってそれを手術で除去しても、「転移するガンならすでに転移しているから意味がない。また、転移しないガン、つまりガンもどきならやはり手術しても意味がない」ということになってしまいます。もしこの説が正しければ、ガンの早期発見などに意味はなく、さらに「見っかったころには、転移するものは既にしている」というのですから、私たちがガンに対してできることはなくなってしまいます。
また、何を食べてもガンの転移や増殖を防ぐことができず、食べ物はガンの発症、死亡に無関係ということになってしまいます。この話は、抗ガン剤の副作用と結びついて、「ガンはガンもどきが大部分であるから、抗ガン剤を用いたり、無意味な放射線療法をしたりする必要はない。むしろ抗ガン剤や放射線療法の副作用で死ぬ人が多いのだ」とい う主張にもなっています。しかし、この説は本当でしょうか。「実際にガンを放っておいたらどうなるか」という実験はできません。
しかし、今から100年くらい前、まだ乳ガンの手術も行なわれず、抗ガン剤も使用されていなかったときにはどうだったかということを知れば結論が出るのです。 数100年前の英国の乳ガンによる生存率から検証します。これによると、平均の生存期間は2.7年であり、10年後には5%以下の人しか生きていないことがわかります。つまり、ガンを放置すれば死ぬのです。
15年後も生存しているわずか2.3%の人がガンもどきだったとしても、この生存率を頼りに治療を拒否するなどということは、決して勧めるべきではないと思われます。 じつは、ガン細胞はいつ転移するかわからないというのが事実です。たしかに、最近は診断の技術がよくなり、MRIやPETなどを用いることによって非常に小さなガンらしいものが多く見つかるようになりました。これはほとんどの人にあるらしく、い ちいち手術などで除去していては、莫大なコストと時間がかかります。そこで、超早期のガンらしき生成物は、そのまま様子を見ようということになっています。
しかし、ある程度大きくなり、目に見えるようになったガンは事情が違います。このようなガンでも自然治癒のような現象もあるのですが、だからと言って、放っておいて様子を見る、あるいはガンもどきだから大丈夫だと主張することは間違っているのです。