血栓症を防ぐ生活習慣と食習慣

血栓症について、血栓予防について、そして血栓症の治療について、現代人は目を背けることができない状況になってしまいました。血栓症に関する昔からの云われ、そして治療に関する情報、食習慣に切り込んでいます。

ある程度の脂肪は長生きのために必要

脂肪の摂取を減らせば、太らないし、血栓症にもならないと思うかもしれません。これは食べ物についての大きな誤解のひとつといえるでしょう。

脂肪は3種類に分類されます。ひとつは中性脂肪で、次はコレステロール、3つめがリン脂質です。 脂肪酸は、中性脂肪の構成分です。つまり中性脂肪が分解すると、脂肪酸とグリセロールになります。コレステロールもリン脂質も細胞の膜に存在します。よく霜降りの肉の白いところ、あるいは、豚肉の脂身がコレステロールだと思っている人がいますが、そうではないのです。

コレステロールは見ても分かりません。また、細胞のある食べ物はすべてコレステロールを含んでいます。イカにも、多くのコレステロールが含まれています。

このように考えると、脂肪の90パーセントは脂肪酸だということが分かります。つまり、脂肪酸のことをよく知ることが、脂肪の意味を知ることになります。また、頭をよくする物質などといわれるDHA(ドコサヘキサエン酸)は脂肪酸のひとつですから、脂肪といって毛嫌いしてはいけないのです。

さて、コレステロールやリン脂質が細胞の膜に必要なことは事実ですが、中性脂肪も大事です。中性脂肪はエネルギーの保存のために必要ですが、現在のように栄養過多の時代では、「脂肪はない方がよい」などと思っている方がおられるかもしれません。しかし、脂肪は実に多くのホルモンを出しています。また、女性ホルモンの調節などにも必要です。女性がやせすぎると生理がなくなることがあるのは、このよい例です。

また、脂肪は保温の役割も持っています。女子高生が、寒いのに大腿部を露出していられるのは、脂肪が保温しているからです。男性では震えて、すぐに風邪を引いてしまうでしょう。

そこで脂肪摂取と寿命の関係を調べますと、ある程度の摂取量までは、脂肪摂取が多いと寿命も伸びています。日本でも戦後、脂肪摂取の増加と平均寿命の伸びは比例していました。ある程度以上になると、脂肪が多すぎて肥満になり、生活習慣病になるなどといわれますが、実際は相当肥満でも、病気にはなりにくいことが知られています。

前述のBMIが、正常範囲の18.5~24.9までの人より、25~30くらいの人の方が健康だということからも分かります。

次に脂肪酸ですが、これには飽和脂肪酸と、不飽和脂肪酸があります。不飽和脂肪酸には一価と多価があります。不飽和とは、二重結合のない脂肪酸にはリノール酸( n-6 脂肪酸)、リノレン酸( n-3 脂肪酸)、DHA 、EPA ( エイコサペンタエン酸)、ARA(アラキドン酸) などがあり、これらは脳などの細胞膜の成分として脳機能に重要な役割を果たしています。

EPA DHA には、血栓を防ぐ作用があることも分かっています。そこで、理想的な脂肪の摂り方は、飽和、一価、多価の脂肪酸が「l ‥1・5 ‥1」になるようにし、n- 6 脂肪酸(リノール酸など) とn- 3脂肪酸(リノレン酸など) が「4 ‥1 」にするのがよいとされています。 飽和、一価、多価の脂肪差酸が1:5:1になるようにし、n-6脂肪酸(リノール酸)などとn-3脂肪酸(リノレン酸)などが4:1にするのが理想です。

毒だし酵素のおかげで元気になった

ページの先頭へ